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研究と報告
幻視,被害妄想,脳内石灰化を呈し家族性Fahr病が疑われた若年女性の1例
著者: 白浜正直1 穐吉條太郎1 田中悦弘1 津留壽船1 松下裕貴1 花田浩昭1 児玉健介1
所属機関: 1大分大学医学部精神科
ページ範囲:P.119 - P.123
文献購入ページに移動幻視,被害妄想,気分の易変性,易怒性,精神遅滞などを呈しFahr病が疑われた若年女性とその3世代の症例について報告する。本人の頭部CT検査により,両側大脳基底核に石灰化を認めた。同様に,親族5名に頭部CT検査を施行したところ,祖母と母に両側大脳基底核の石灰化を認めた。本症例では母を含め3姉妹,本人と弟が精神遅滞であり,本人と弟が視力障害を持っており,遺伝性疾患が疑われた。副甲状腺機能は正常でCaの代謝障害はなく,他の生化学的異常やミトコンドリア病,代謝性疾患その他の身体疾患による体の異常がなく,Fahr病が考えられた。本邦でのFahr病の先行研究としては3世代にわたる報告はなく,現在のところ本報告が初めてである。
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