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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻2号

2009年02月発行

文献概要

研究と報告

幻視,被害妄想,脳内石灰化を呈し家族性Fahr病が疑われた若年女性の1例

著者: 白浜正直1 穐吉條太郎1 田中悦弘1 津留壽船1 松下裕貴1 花田浩昭1 児玉健介1

所属機関: 1大分大学医学部精神科

ページ範囲:P.119 - P.123

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抄録

 幻視,被害妄想,気分の易変性,易怒性,精神遅滞などを呈しFahr病が疑われた若年女性とその3世代の症例について報告する。本人の頭部CT検査により,両側大脳基底核に石灰化を認めた。同様に,親族5名に頭部CT検査を施行したところ,祖母と母に両側大脳基底核の石灰化を認めた。本症例では母を含め3姉妹,本人と弟が精神遅滞であり,本人と弟が視力障害を持っており,遺伝性疾患が疑われた。副甲状腺機能は正常でCaの代謝障害はなく,他の生化学的異常やミトコンドリア病,代謝性疾患その他の身体疾患による体の異常がなく,Fahr病が考えられた。本邦でのFahr病の先行研究としては3世代にわたる報告はなく,現在のところ本報告が初めてである。

参考文献

1) 葛原茂樹:大脳基底核の変性疾患.豊倉康夫 総編集,萬年徹,金澤一郎 編集.神経内科学書 第2版.朝倉書店,pp516-517,2004
2) Malik R, VPandya V, Naik D:Fahr disease, A rare neurodegenerative disorder. Ind J Radiol Imag 14:383-384, 2004
3) 御供政紀:石灰化を有する疾患.頭部CT徹底診断.医学書院,pp86-105,1992
4) Schwarzbraun T, Vincent JB, Schumacher A, et al:Cloning, genomic structure, and expression profiles of TULIP1(GARNL1), a brain-expressed candidate gene for 14q13-linked neurological phenotypes, and its murine homologue. Genomics 84:577-586, 2004
5) Shakibai SV, Johnson JP, Bourgeois JA:Paranoid delusions and congnitive impairment suggesting Eahr's disease. Psychosomatics 46:569-572, 2005
6) Sobrido MJ, Hopfer S, Geschwind DH:Familial idiopathic basal calcification. GENE Reviews 1-15, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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