icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻2号

2009年02月発行

短報

Sertralineによるセロトニン症候群を呈した1例

著者: 小早川英夫1 大森寛1 藤田康孝12 坪井きく子1 竹林実12

所属機関: 1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部

ページ範囲:P.125 - P.127

文献概要

はじめに

 2006年,本邦3番目の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であるsertralineが使用可能となった。SSRIの副作用としてセロトニン症候群への留意は必要であるが,今回,常用量のsertralineによるセロトニン症候群を呈した1例を経験した。また,本症例はセロトニン2A(以下5-HT2A)受容体阻害作用を有するmianserinの併用中に出現しており,セロトニン症候群の病態を考えるうえで貴重な症例と思われるので若干の考察を加え報告する。

参考文献

1) Bhanji NH:Serotonin syndrome following low-dose sertraline. Can J Psychiatry 45:936-937, 2000
2) Boyer EW, Shannon M:The serotonin syndrome. N Engl J Med 352:1112-1120, 2005
3) Hoes MJ, Zeipveld JH:Mirtazapine as treatment for serotonin syndrome. Pharmacopsychiatry 29:81, 1996
4) 岩本泰行,山脇成人:向精神薬による悪性症候群とセロトニン症候群:その鑑別と治療の要点.臨精医 32:521-528,2003
5) 西島康一,高野謙二,加藤敏:シプロヘプタジンとクロナゼパムの投与により改善したセロトニン症候群の1例.精神医学 44:765-767,2002
6) 小川弘次,松岡孝裕,平田吾一,他:セロトニン症候群遷延例におけるrisperidoneの使用経験―セロトニン症候群治療薬としての可能性について.臨精薬理 10:111-117,2007
7) 笹川嘉久,松山哲晃,佐々木史,他:常用量のtrazodoneによりセロトニン症候群を呈した躁うつ病の1例.精神医学 41:727-732,1999
8) Sternbach H:The serotonin syndrome. Am J Psychiatry 148:705-713, 1991
9) Ubogu EE, Katirji B:Mirtazapine-induced serotonin syndrome. Clin Neuropharmacol 26:54-57, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら