icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻3号

2009年03月発行

文献概要

巻頭言

DSMについて

著者: 塩入俊樹1

所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科 精神病理学分野

ページ範囲:P.208 - P.209

文献購入ページに移動
 なぜDSMの話をするかというと,DSMを20年以上にわたって大学病院などの研究医療機関において日常臨床の場で綿密に使用し続けてきた経験を持つ精神科医は,わが国では稀有な存在ではないかと思うからである。

 私は1987(昭和62)年に医師となったので,現在22年目の精神科医である。当時は入局1年目から大学院へ進学できたために,医者1年目から研修医と院生という二足の草鞋を履くこととなった。私が入局した母校の滋賀医科大学では,すでにDSMが日常臨床で当たり前のように用いられていた。というのも,今も私の部屋の本棚にある1982年3月初版のDSM-Ⅲの訳本(「精神障害の分類と診断の手引」,医学書院,以下“手引き”)は,初代教授であった高橋三郎先生が中心となり翻訳されたものだったからである。とはいっても当時DSMを用いて診断をしている施設はわが国ではまだ皆無であったので,出張先の病院では従来診断を教えていただき,大学ではDSMを学ぶといった,診断学的にも二足の草鞋(?)となった。そして結果的には,この両方向性が私の診断能力の向上に非常に役に立ったと思っている(後述)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら