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シンポジウム うつ病と自殺に医師はどう対応するのか―医師臨床研修並びに生涯研修における精神科の役割
過労自殺の諸問題
著者: 黒木宣夫1
所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院精神神経医学研究室
ページ範囲:P.381 - P.386
文献購入ページに移動はじめに
1998年度よりわが国の自殺者総数は3万人を突破した状態4)が続いており,特に中高年男性の自殺者の増加は,男性全体の今までの平均寿命を引き下げるほどの影響を与え,深刻な社会問題として受け止められている。この背景には近年の目覚しい科学技術の革新,終身雇用制の崩壊,製造業の外注化,分社化,企業の廃統合,就業形態の多様化,成果主義導入,人事労務管理の変化などがあり,企業は効率化を求めるため職場の人員を増やさず業務量は増大する中で,結果的に長時間労働者も増加し,過重労働による健康障害が深刻化している。
1998年度よりわが国の自殺者総数は3万人を突破した状態4)が続いており,特に中高年男性の自殺者の増加は,男性全体の今までの平均寿命を引き下げるほどの影響を与え,深刻な社会問題として受け止められている。この背景には近年の目覚しい科学技術の革新,終身雇用制の崩壊,製造業の外注化,分社化,企業の廃統合,就業形態の多様化,成果主義導入,人事労務管理の変化などがあり,企業は効率化を求めるため職場の人員を増やさず業務量は増大する中で,結果的に長時間労働者も増加し,過重労働による健康障害が深刻化している。
参考文献
1) 平成7年(行ウ)第11号遺族補償年金不支給処分取消請求事件 名古屋地裁
2) 平成15年(行ワ)第18号遺族年金等不支給取消請求事件 名古屋地裁
3) 平成15年(行ウ)第31号遺族補償年金等不支給決定処分取消請求事件 福岡地裁
4) 警視庁生活安全地域課:平成18年中における自殺の概要資料.2007年6月
5) 厚生労働省:脳・心臓疾患の認定基準の改正について.2001年12月12日
6) 厚生労働省:過重労働とメンタルヘルス対策の在り方に係わる検討会報告書.2004年8月
7) 厚生労働省:労働安全衛生法等の一部改正(平成17年法律第108号.2006年1月
8) 栗原伸公:厚生労働科学研究 企業における「過重労働による健康障害防止のための総合対策」の効果に関する研究1.事業場における過重労働対策―現状とその分析.pp23-90,2003
9) 黒木宣夫:平成15年度「災害科学に関する研究」「長時間残業と精神疾患発症との因果関係に関する研究」―労災認定された自殺事案における長時間残業の調査―厚生労働科学研究費補助金.pp161-220,2004
10) 労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室:脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況(平成17年度)について.2007年5月
11) 労働省労働基準局補償課職業病認定対策室:心理的負荷による精神障害等に係わる業務上外の判断指針について.1999年9月
12) 内山真:平成15年度災害科学に関する研究 睡眠と精神障害との関係に関して.pp5-28,2003
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