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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻5号

2009年05月発行

文献概要

巻頭言

広汎性発達障害概念の功罪

著者: 井原裕1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院こころの診療科

ページ範囲:P.416 - P.417

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 私は,児童精神医学の専門家ではないが,中学生以上の高機能広汎性発達障害(PDD)は自分で診ている。実際,このところ,「自分はアスペルガーではないか」と言って受診する若者がふえた。すでに他の医療機関でアスペルガー障害の診断が下されている場合もある。

 専門家に依頼しない理由は,第一に,したくてもできないからである。頼めば,「予約待ち半年」などの返事が返る。思春期を迎えた患者は,焦燥を秘め,衝動性が亢進し,自己破壊傾向もある。とても半年も待てない。早めに治療関係を作って,SOSを受信できる状況を設定しなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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