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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻5号

2009年05月発行

文献概要

短報

Aripiprazoleの追加投与が有効であった難治性非定型うつ病患者の1例

著者: 山本暢朋12 稲田俊也3

所属機関: 1下総精神医療センター精神科 2現・神経研究所附属晴和病院精神科 3財団法人神経研究所附属晴和病院

ページ範囲:P.457 - P.460

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はじめに

 薬物療法はうつ病の主要な治療手段であるが,完全寛解にまで至らない症例は稀ではなく,多くの薬物療法の結果を総合すると,30~45%の患者では全く効果がみられないか,部分的改善しかみられないとされている1)。抗うつ薬による薬物療法を十分な量で十分な期間行った場合,抗うつ薬以外の薬物を追加投与する効果増強療法(augmentation therapy)が行われる場合があり,lithiumなどの気分安定薬や甲状腺ホルモン製剤などが用いられている。今回,我々は難治性うつ病患者にaripiprazoleを追加投与して有効であった症例を経験したため,若干の文献的考察を加えてこれを報告する。

参考文献

1) Fava M:New approaches to the treatment of refractory depression. J Clin Psychiatry 61(Suppl 1):26-32, 2000
2) Hellerstein DJ:Aripiprazole as an adjunctive treatment for refractory major depression. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 28:1347-1348, 2004
3) 井上毅,小山司:難治性うつ病の治療.精神医学 39:6-14,1997
4) 伊豫雅臣:Aripiprazoleの薬理と脳内ドパミンD2受容体占拠率.臨精薬理 9:191-196,2006
5) 小山司,石金朋人:三環系抗うつ薬,その他.精神医学 36:17-21,1994
6) 野村総一郎:特殊なうつ病の治療.上島国利 編,気分障害治療ガイドライン.pp139-163,医学書院,2004
7) 岡本長久:難治性うつ病への対応.医学のあゆみ(別冊 うつ病の全て) 219:955-962,2006
8) Patker AA, Peindl K, Mago R, et al:An open-label, rater-blinded, augmentation study of aripiprazole in treatment-resistant depression. Prim Care Companion J Clin Psychiatry 8:82-87, 2006
9) Stahl SM:Essential Psychopharmacology:The Prescriber's Guide. Cambridge University Press, Cambridge, 2006
10) Stahl SM:Stahl's Essential Psychopharmacology:Neuroscientific Basis and Practical Applications. Cambridge University Press, Cambridge, 2008
11) 都甲崇,平安良雄:Olanzapineの付加療法が有効であった治療抵抗性うつ病の2例.精神医学 47:765-768,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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