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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻5号

2009年05月発行

短報

多系統萎縮症を合併した大うつ病性障害に対して,tandospironeが有用であった1症例

著者: 久馬透1 高橋淳1 山田尚登2 青木建亮1

所属機関: 1社団法人水口病院精神科 2滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.465 - P.468

文献概要

はじめに

 Tandospironeは不安,抑うつ,焦燥などに効果を有する5-HT1A受容体作動薬であり3),その副作用の少なさからベンゾジアゼピン系抗不安薬に代わる薬剤として期待されている。また,軽症から中等症のうつ病に対する効果も報告されている4,5)

 今回我々は,大うつ病性障害の経過中に多系統萎縮症を発病した患者にtandospironeを投与し,神経症状を悪化することなく精神症状に十分な効果を挙げることができたので報告する。

参考文献

1) Evans SM, Troisi JR 2nd, Griffiths RR:Tandospirone and alprazolam:Comparison of behavioral effects and abuse liability in humans. J Pharmacol Exp Ther 271:683-694, 1994
2) 石郷岡純:SSRIによるうつ病治療の現状と留意点.臨精薬理 9:1407-1423, 2006
3) 美根和典,村田雄介:Tandospironeの位置づけと可能性.臨精薬理 10:953-963, 2007
4) 西嶋康一:タンドスピロンの単独投与によってうつ病の再発が抑制された1例.精神医学 42:399-401, 2000
5) 鈴木映二,八木剛平,渡辺智幸,他:大動脈-冠動脈バイパス手術後のうつ病エピソードにタンドスピロンが効果を示した1例.精神医学 41:85-88, 1999
6) Suzuki M, Uchiumi M, Murasaki M:Effects of tandospirone, a 5-HT1A receptor-related anxiolytic, on daytime sleepiness and psychomotor functions:A comparative double-blind study with diazepam. J Psychopharmacol 13:213-224, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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