icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻5号

2009年05月発行

文献概要

資料

精神科医以外の医師に行ったうつ病治療のアンケート調査

著者: 大村慶子1 天野直二2

所属機関: 1篠ノ井総合病院精神科 2信州大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.479 - P.484

文献購入ページに移動
はじめに

 うつ病はさまざまな身体症状を伴うことが多く,精神科以外の診療科を受診することが多いといわれ,うつ病患者の44.8%が,内科などのプライマリ・ケア医を受診していたという報告2)があるが,プライマリ・ケア医を受診したうつ病患者の30~50%が見逃されているという報告5)もある。うつ病の専門医による診断と,実際治療に携わっている内科医の臨床診断との一致率は19.3%という報告4)があり,診断の一致率は非常に低いが,「うつ病・うつ状態」と診断されて精神科に紹介されてくる患者の中には,SSRI,SNRIなどの抗うつ薬がすでに処方されている患者がある。現在,うつ病・うつ状態の診療を精神科医以外が行う機会が増えているが,その実際についての調査はほとんど見当たらない。精神科医がうつ病診療で果たす役割を検討するためにも,その実際を知ることは必要であると考えられたため,精神科医以外の医師が行っているうつ病・うつ状態診療の調査を行った。

参考文献

1) 樋口輝彦:わが国のうつ病治療の現況と日本うつ病学会.心療内科 8:40-43,2004
2) 伊川太郎,大坪天平,幸田るみ子,他:一般人口におけるうつ病の有病率調査.精神誌 105:1327,2003
3) 三木治:プライマリ・ケアにおけるうつ病の実態と治療.心身医 42:587-591, 2002
4) 中根允文,田代孝子:一般診療科受診患者における精神的問題の動向―WHOの国際共同研究結果から.看護誌 59:756-758,1995
5) Posse M, Hällström T:Depressive disorders among somatizing pateients in primary health care. Acta Psychiatr Scand 98:187-192, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?