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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻5号

2009年05月発行

文献概要

古典紹介

E. Esquirol:Des hallucinations(1817)【第1回】

著者: 濱中淑彦1 高林功2

所属機関: 1資生会八事病院 2義興会可知病院

ページ範囲:P.487 - P.497

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幻覚論

 ある人物がある感覚sensationを実際に知覚しているという内的確信を持ち,その時この感覚を引き起こす適当な外的対象が彼の諸感官sensの射程内に存在しない場合,この人物は幻覚状態état d'hallucinationにある:これが幻視者visionnaireである。

 ソヴァージュ[F. Boissier de]Sauvages[1763]は,諸感官に損傷があって,その損傷以前に知覚していたようには,もはやさまざまな感覚を知覚できない人の種々の誤謬に,hallucinationの名称を与えた。この疾病分類学者によって,見間違えberlue,重なって見えることbévue,耳鳴りtintoinは,狂気foliesという綱classeの最初の目ordreに位置づけられた。しかしこの場合,その他の感官や推論raisonnementによって,このような錯覚illusions,誤謬を訂正することは可能であるので,こうした諸現象はデリールdélireと混同してはならないとしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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