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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻6号

2009年06月発行

文献概要

短報

ブロナンセリンへの切り替えによって,病的体験と眠気が改善した統合失調症の1例

著者: 竹内大輔1 小野寿之1 玉井顯1 和田有司2

所属機関: 1敦賀温泉病院精神科 2福井大学医学部神経科精神科

ページ範囲:P.555 - P.558

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はじめに

 ブロナンセリンは,2008年4月より本邦で発売が開始された非定型抗精神病薬である。臨床使用については,3人の統合失調症患者を対象にした報告13)がある。今回我々は,他の薬剤では強い眠気が生じた症例にブロナンセリンを使用し,眠気を伴わずに精神症状が改善した症例を経験したので報告する。なお,患者のプライバシーに考慮し,科学的考察には支障のない範囲で症例の内容を変更した。

参考文献

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13) 滝沢義唯,西口隆彦,岸本明子,他:ブロナンセリンが有効であった統合失調症の3症例.新薬と臨牀 57:1267-1271,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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