文献詳細
特集 精神疾患と睡眠マネージメント―最新の知見
Sleep Psychiatryを考える
著者: 井上雄一123 飯森眞喜雄3
所属機関: 1財団法人神経研究所付属睡眠学センター 2東京医科大学睡眠学講座 3東京医科大学精神医学講座
ページ範囲:P.623 - P.623
文献概要
しかし,睡眠障害国際診断分類第2版((ICSD 2nd)2005年出版)による疾病概念整理の時期と前後して,特に慢性不眠がうつ病の重要な発症もしくは再発リスク要因になること,代表的な内科系睡眠障害である睡眠時無呼吸症候群がうつ病と因果関係が深いことが,主に疫学的な検討により明らかにされた。また,新世代抗精神病薬での睡眠改善効果とその臨床上の意義が明確化されたこと,睡眠時に限局したパニック発作の存在が注目されるようになったこと,認知症性疾患の中で重要な位置を占めるレビー小体病が,発症初期からレム睡眠時に異常行動を呈することが明らかになったことなども,精神疾患研究における睡眠生理学研究の重要性を再認識させるきっかけとなっているし,精神疾患治療薬使用による睡眠中の意識障害下での異常行動も,司法睡眠医学領域での課題となっている。
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