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患者が主治医の態度に不満を表明し,指導医が介入するときに何が起こるか―治療的転機となる要件
著者: 大江美佐里1 加藤雄輔1
所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.685 - P.687
文献購入ページに移動精神療法で生じる変化については多くの著作があり,精神分析の分野では,村岡がターニングポイントとして論じている2)。分析的治療でなくとも,こうした転機が生じることは体験的に知られている。一方,卒後研修において指導医が精神療法的側面を指導することの重要性は高まっている1)が,指導の機微は,時折ケーススタディで述べられる程度(山下ら3))で,指導医による介入がテーマとなることは少ない。
今回は,介入が治療的転機として効果を発揮するための条件,特に,入院患者が主治医の態度に対して不満を表明するという,一見治療関係上は困難に思われる局面が治療的な転機をとることについて論じる。なお,症例報告に際し,本人から発表の許可を口頭で得,症例の匿名性・倫理的側面にも十分配慮した。入院治療では,筆者のうち加藤が主治医,大江が指導医としてかかわった。
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