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文献詳細

雑誌文献

精神医学51巻9号

2009年09月発行

文献概要

短報

うつ状態による食欲低下が誘因となったWernicke脳症の1例

著者: 田口芳治12 柴田孝3 松村内久3 久保道也3 堀江幸夫3

所属機関: 1富山県済生会富山病院神経内科 2富山大学附属病院神経内科 3富山県済生会富山病院脳神経外科

ページ範囲:P.885 - P.887

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はじめに

 Wernicke脳症は慢性アルコール中毒に伴い発症することがよく知られているが,消化管手術後や妊娠悪阻,化学療法による頻回の嘔吐,不適切な食事などの非アルコール性の要因によるWernicke脳症の報告も散見される4)。食欲低下は精神疾患に伴いよく認められる症状の1つであるが,精神疾患に伴う食欲低下が原因となったWernicke脳症はまれである。我々は,うつ状態による極端な食欲低下が誘因となったWernicke脳症を経験したので報告する。

参考文献

1) Antunez E, Estruch R, Cardenal C, et al:Usefulness of CT and MRI imaging in the diagnosis of acute Wernicke's encephalopathy. AJR Am J Roentgenol 171:1131-1137, 1998
2) 駒ヶ嶺正純,高木康行,高木誠:Wernicke脳症の診断について.臨床神経 25:393-400, 1985
3) 駒井秀次,中山道規,吉野相英,他:Wernicke-Korsakov脳症を呈したsnorexia nervosaの1女児例.精神医学 40:212-213, 1998
4) 鈴木裕,水谷智彦:Wernicke脳症とペラグラ.Brain Med 16:223-229, 2004
5) Ziporin ZZ, Nunes WT, Powell RD, et al:Thiamine requirement in the adult human as measured by urinary excretion of thiamine metabolites. J Nutr 85:297-304, 1965

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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