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文献詳細

雑誌文献

精神医学52巻1号

2010年01月発行

文献概要

私のカルテから

Lamotrigineの使用により攻撃性が軽減した精神遅滞合併後頭葉てんかんの1例

著者: 大島智弘1 加藤悦史1 加藤裕子1 野口貴弘1 田所ゆかり1 深津尚史1 兼本浩祐1

所属機関: 1愛知医科大学精神科学教室

ページ範囲:P.91 - P.93

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はじめに

 Lamotrigineは幅広い有効スペクトラムを持つ抗てんかん薬であり,わが国では「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む),強直間代発作,Lennox-Gastaut症候群における全般発作」に対し適応がある。発作抑制のみならず,てんかん患者の精神症状や行動,QOLの改善効果も報告されており4),てんかん治療において今までにないプロフィールを持つ薬剤であるといえる。今回我々は,家庭での暴力行為のため入院となり,入院後lamotrigineを使用し,てんかん性不機嫌症状が軽快した精神遅滞合併後頭葉てんかんの症例を経験したので報告する。

参考文献

1) Ando A, Soga S, Yamasaki K, et al:Development of the Japanese version of the Buss-Perry Aggression Questionnaire(BAQ). Jpn J Psychol 70:384-392, 1999
2) Beran RG, Gibson RJ:Aggressive behaviour in intellectually challenged patients with epilepsy treated with lamotrigine. Epilepsia 39:280-282, 1998
3) 川崎淳:てんかん性不機嫌症.精神科治療学 21(増刊号):342-343, 2006
4) 久保田英幹,八木和一:てんかん患者のQOL研究ならびにQOLへのlamotrigineの影響.臨精薬理 11:953-963, 2008
5) McKee JR, Sunder TR, FineSmith R, et al:Lamotrigine as adjunctive therapy in patients with refractory epilepsy and mental retardation. Epilepsy Behav 4:386-394, 2003
6) McKee JR, Sunder TR, Vuong A, et al:Adjunctive lamotrigine for refractory epilepsyin adolescents with mental retardation. J Child Neurol 21:372-379, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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