文献詳細
研究と報告
精神疾患の復職支援要因の分析―地方公務員復職者に対するアンケート調査の結果
著者: 塩崎一昌12 池田英二13 池田東香1 平安良雄1
所属機関: 1公立大学法人横浜市立大学医学部精神医学 2現・横浜市総合保健医療センター 3富山県厚生部
ページ範囲:P.1181 - P.1190
文献概要
神奈川県下のある自治体において,精神疾患による長期休職後に復職した職員127名を対象に,復職に影響した支援についてアンケート調査を実施した。休職期間の前後で,職場の変化や制度的な事柄,受診状況などについて質問した。調査の結果,95名から回答が得られた。復職に役立った支援として,慣らし勤務,業務内容への配慮,上司の共感,業務量への配慮が多く選択されていた。また,復職後には職場での病気への理解は改善したと感じられていた。業務量の軽減や業務内容の変更は,ベック抑うつ質問票(BDI-Ⅱ)による抑うつ度の低下と相関していた。復職後の異動希望については,回答者の99%が配慮の必要性を認めていた。主治医への満足度は高かったが,満足度の高さは,BDI-Ⅱによる抑うつ度の高さと相関していた。
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