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研究と報告
障害福祉サービスなどにおける精神障害者の自殺と対策の課題―ある大都市近郊地域での事業所調査から
著者: 熊谷直樹1 向山晴子2 小高真美3 渡部恵子4 谷口禮二4 森泉旬子4 野津眞4
所属機関: 1東京都福祉保健局障害者施策推進部 2東京都町田保健所 3国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 4東京都立多摩総合精神保健福祉センター
ページ範囲:P.1193 - P.1202
文献購入ページに移動精神障害者向け障害福祉サービスなどの利用者の自殺関連問題の現状把握のため,ある大都市近郊地域の事業所170か所を対象に,自殺や自殺の職員への影響などについて質問紙法で調査した。117か所が回答し,事業所あたり年間自殺発生率は0.072,利用者10万人あたり年間自殺者は180人と算出された。自殺発生時期における秋から冬の季節の割合は,当該地域住民全体に比べ,利用者において有意に高かった。自殺発生後に,事例担当職員の多くは抑うつ気分,脱力感などを体験し,業務に支障を来した人もあった。事業所での自殺対策では,利用者の自殺リスクに関する職員の認識,危険要因への配慮,業務マニュアルの整備や外部機関の活用が課題と考えられた。
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