icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学52巻2号

2010年02月発行

私のカルテから

Risperidoneにより軽躁状態を呈しlithium carbonateを併用した口腔内セネストパチー

著者: 植木昭紀1 宇和典子1 守田嘉男1

所属機関: 1兵庫医科大学精神科神経科学講座

ページ範囲:P.195 - P.197

文献概要

 セネストパチーは口腔領域に多くみられる神経学的に理解できない奇妙な異常感覚で,薬物療法に反応し難く治療に難渋する。単一症状に経過する狭義のものと,統合失調症,抑うつ症,神経症などの部分症としての広義のものがある3)。筆者らは,risperidone投与後軽躁状態となり,lithium carbonateを併用した口腔内セネストパチーを経験したので報告する。なお,症例に関して匿名性の確保のため細部を適宜変更した。また,医学関連学術雑誌への掲載について本人,配偶者に書面で同意を得た。

参考文献

1) Georgotas A, Cooper T, Kim M, et al:The treatment of affective disorders in the elderly. Psychopharmacol Bull 19:226-237, 1983
2) Gurland BJ, Fleiss JL, Goldberg K, et al:A semi-structured clinical interview for the assessment of diagnosis and mental state in the elderly:The geriatric mental state schedule-II. A factor analysis. Psychol Med 6:451-459, 1976
3) 保崎秀夫:セネストパチーとその周辺.精神医学 2:325-332,1960
4) 小林聡幸:Risperidoneによる軽躁状態.精神医学 41:305-307,1999
5) 小島大輔,遠藤俊吉,秋山美紀夫,他:セネストパチーの治療.臨精医 15:45-52,1986
6) 宮岡等:口腔内セネストパチー.精神科治療学 12:347-355,1997
7) Stoll AL:Risperidone and the risk of switch into mania. In:Ayd FJ, ed. The Art of Rational Risperidone Therapy. Ayd Medical Communications, Baltimore, Meryland, pp121-127, 1997
8) 高橋徹,吉松和哉:セネストパチーの臨床類型についての1考察―症例を通して.精神医学 40:507-516,1998
9) 和気洋介,藤原豊,青木省三,他:口腔内に限局するセネストパチーの臨床的検討.精神医学 40:437-440,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら