文献詳細
特集 総合病院精神科衰退の危機と総合病院精神医学会の果たすべき役割
総合病院精神科医師不足と診療報酬問題
著者: 横山正宗1 吉邨善孝1 藤原修一郎2
所属機関: 1済生会横浜市東部病院精神科 2地域精神医療ネットワーク
ページ範囲:P.229 - P.237
文献概要
ここ数年間,総合病院精神科病床の相次ぐ閉鎖や削減が進んでいる。このような医療機関の関係者らは危機感を募らせ,関連する議論を専門誌や学会などで繰り広げている。主に取り上げられる問題点としては,総合病院を辞める精神科医が増える中,新臨床研修制度導入後に大学医局などから医師の補充が難しくなったことなどによる人員不足や,病院経営の観点から収益性の低さを指摘され,非採算部門として切り捨てられていることの2点が挙げられる。この「人員不足と収益性の低さ」という問題は,そのまま「総合病院精神科を取り巻く医療環境と診療報酬」という議論につながっていくのが常であり,本稿もそれらに関することを中心に話を進めたい。
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