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短報
Aripiprazoleの付加療法が有効であった治療抵抗性うつ病の1例
著者: 櫻井政仁1 岡田京子1
所属機関: 1京ヶ峰岡田病院
ページ範囲:P.401 - P.404
文献購入ページに移動はじめに
最近うつ病の治療には,従来から使用されている三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬などに加えて,より副作用の少ない選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs),セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRIs)などの使用も可能になり,薬剤選択の幅が広くなった。しかし,うつ病の中にはこのような治療薬を十分量6~8週間以上使用しても改善に乏しい症例も存在する。このような治療抵抗性のうつ病患者に対する治療には,増強療法として炭酸リチウム,甲状腺ホルモンの追加,電気けいれん療法などが行われることも多い1,5)。また,海外では,治療抵抗性うつ病に対して非定型抗精神病薬を付加療法として用いると効果的であるという報告も散見する4)。
今回,治療歴約7年の治療抵抗性のうつ病患者に対し,付加療法としてaripiprazoleを併用し,抑うつ症状の改善を経験したので報告する。なお,報告にあたって,文書にて本人および家族の同意を得た。
最近うつ病の治療には,従来から使用されている三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬などに加えて,より副作用の少ない選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs),セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRIs)などの使用も可能になり,薬剤選択の幅が広くなった。しかし,うつ病の中にはこのような治療薬を十分量6~8週間以上使用しても改善に乏しい症例も存在する。このような治療抵抗性のうつ病患者に対する治療には,増強療法として炭酸リチウム,甲状腺ホルモンの追加,電気けいれん療法などが行われることも多い1,5)。また,海外では,治療抵抗性うつ病に対して非定型抗精神病薬を付加療法として用いると効果的であるという報告も散見する4)。
今回,治療歴約7年の治療抵抗性のうつ病患者に対し,付加療法としてaripiprazoleを併用し,抑うつ症状の改善を経験したので報告する。なお,報告にあたって,文書にて本人および家族の同意を得た。
参考文献
1) American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, fourth edition, text revision. American Psychiatric Association, Washington DC, 2000
2) Berman RM, Marcus RN, Swanink R, et al:The efficacy and safety of aripiprazole as adjunctive therapy in major depressive disorder:A multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled study. J Clin Psychiatry 68:843-853, 2007
3) 森田幸代:うつ病の症状評価方法(評価尺度など).Mebio 24:22-29, 2007
4) Papakostas GI, Shelton RC:Use of atypical antipsychotics for treatment-resistant major depressive disorder. Curr Psychiatry Rep 10:481-486, 2008
5) Rush AJ, Crismon ML, Toprac MG, et al:Consensus guidelines in the treatment of major depressive disorder. J Clin Psychiatry 59(Suppl 20):73-84, 1998
6) Skolnick P:Beyond monoamine-based therapies:Clues to new approaches. J Clin Psychiatry 63(Suppl 2):19-23, 2002
7) Stahl SM:Dopamine system stabilizers, aripiprazole, and the next generation of antipsychotics, part2. J Clin Psychiatry 62:12, 20012009年3月23日受稿,2009年9月18日受理
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