文献詳細
特集 児童期における精神疾患の非定型性―成人期の精神疾患と対比して
子どもの精神疾患の臨床像をどうとらえ得るか?―児童精神医学と成人精神医学の双方向の視点
著者: 岡田俊1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科精神医学分野
ページ範囲:P.431 - P.432
文献概要
このことには,過去も現在も相違はない。しかし,このような視点で概念化した場合,一人ひとりの児の抱える問題は,家庭,学校,社会の問題に一般化されるか,個別の問題として臨床の治療者との関係性の中に埋没するか,という乖離を生み出しやすい。とりわけ,一世を風靡した「不登校」問題は解体され,学校を含めた社会の問題としてとらえられるか,あるいは,子どものうつなどの疾患レベルの問題として解されるようになり,今なお臨床的に重大な問題であるにもかかわらず,精神医学の中心的テーマとして扱われなくなっていくのである。
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