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文献詳細

雑誌文献

精神医学52巻7号

2010年07月発行

文献概要

研究と報告

小児摂食障害の定義と臨床的特徴について

著者: 中井義勝1

所属機関: 1京都健康科学研究所

ページ範囲:P.671 - P.677

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抄録

 摂食障害(ED)患者1,008人を14歳以下受診者28人(1群),14歳以下発症で15歳以上受診者188人(2群)と15歳以上発症者792人(3群)に分類し,初診時の病型別に臨床所見と摂食障害調査票(EDI),摂食態度検査(EAT)および自己評価式抑うつ尺度(SDS)を比較した。1群は79%が神経性食欲不振症制限型(ANR)であったが,2群は3群と病型に差がなかった。病型別に比較すると,ANRは3群間で,その他の病型は2群と3群間で,EDI,EAT,SDSのスコアに有意差がなかった。以上の成績から,小児EDは発症年齢ではなく,受診年齢が14歳以下としたほうがよい。また小児EDの臨床的特徴は成人EDのANRと共通する点が多かった。

参考文献

1) American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition. Washington, D.C., 1994
2) 傳田健三:小児の摂食障害.石川俊男,鈴木健二,鈴木裕也,他 編,摂食障害の診断と治療―ガイドライン2005.マイライフ社,pp30-36,2005
3) 傳田健三:小児の治療.切池信夫 編,摂食障害.最新医学社,pp163-170,2007
4) Lask B, Bryant-Waugh R:Childhood Onset Anorexia Nervosa and Related Disorders. Psychology Press, Hove., 1993
5) 中井義勝:Eating Disorder Inventory(EDI)を用いた摂食障害患者の心理特性の検討.精神医学 39:47-50,1997
6) 中井義勝:Eating Attitudes Test(EAT)の妥当性について.精神医学 45:161-165, 2003
7) 中井義勝:典型的神経性食欲不振症と非典型的神経性食欲不振症について.精神医学 51:1093-1098,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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