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巻頭言
発達障害概念の再考
著者: 山崎晃資1
所属機関: 1目白大学大学院生涯福祉研究科
ページ範囲:P.736 - P.737
文献購入ページに移動いうまでもないことであるが,子どもの臨床は,発達歴を可能な限り詳細に調べ,時間や場所を変えて何度も行動観察をし,家庭・幼稚園・保育園・学校などにおける子どもの状態を可能な限り聞き取り,その子どもの理解を深めていくものである。ついでながら,「診断(diagnosis)」とは語源的に「知識のすべて」という意味であり,臨床家の知識と経験を総動員させて,その子どもの理解と対応を検討することである。その意味からは,医学的診断,心理学的診断,教育学的診断,福祉的診断などがあるはずである。「私は医師ではありませんので“診断はいたしません”」というノン・メディカルな専門家の話をよく耳にするが,それは責任回避または逃げ口上である。専門家としての自分の専門的立場に立った子どもの理解・見立て・評価などをきちんと述べるべきである。さらにいえば,医学的診断分類をつまみ食いすべきものではなく,それぞれの専門領域における診断分類体系を整えるべきである。
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