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文献詳細

雑誌文献

精神医学52巻8号

2010年08月発行

文献概要

研究と報告

精神の健康管理への積極性評価尺度(Patient Activation Measure 13 for Mental Health;PAM13-MH)日本語版の開発

著者: 藤田英美1 久野恵理2 加藤大慈3 爰地真理子4 上原久美35 平安良雄3

所属機関: 1横浜市立大学附属病院心理室 2ペンシルベニア大学医学部精神医学科 3横浜市立大学医学部精神医学教室 4神奈川県立精神医療センター芹香病院 5神奈川県立精神医療センターせりがや病院

ページ範囲:P.765 - P.772

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抄録

 精神の健康管理への積極性評価尺度日本語版を開発し,信頼性と妥当性の検討を行った。横浜市立大学附属病院精神科外来通院患者226名を対象に,自己記入式の質問紙調査を実施した。Rasch分析の結果,データの一次元性と原版と類似する項目難度が確認された。内的整合性(α=0.82)および再検査信頼性(r=0.75)は高く,受療行動に関するセルフエフィカシー尺度を用いた並存的妥当性の評価も高かった(r=0.59)。また,性差,年齢差,疾患による得点の差を検討したところ,有意差を認めなかった。本研究の結果,本尺度は十分な信頼性と妥当性を有することが確認され,性別,年齢,疾患にかかわらず,精神疾患を持つ人に共通して利用できることが明らかにされた。

 

※「表1 アクティベーションスコア換算表」は,権利者の意向等により冊子体のみの掲載になります.

参考文献

1) Hibbard JH, Mahoney ER, Stockard J, et al:Development and testing of a short form of the patient activation measure. Health Serv Res 40:1918-1930, 2005
2) Hibbard JH, Stockard J, Mahoney ER, et al:Development of the Patient Activation Measure(PAM):Conceptualizing and measuring activation in patients and consumers. Health Serv Res 39:1005-1026, 2004
3) 堀毛裕子:日本版Health Locus of Control尺度の作成.健康心理学研究 4:1-7, 1991
4) Insignia Health, LLC:Patient Activation Measure(PAM)13 License Materials, 2008
5) 金外淑,嶋田洋徳,坂野雄二:慢性疾患患者の健康行動に対するセルフ・エフィカシーとストレス反応との関連.心身医学 36:500-505,1996
6) 厚生労働省研究班(平川博之),2009(日本経済新聞,2009年1月6日夕刊「精神疾患55万人孤立」より)
7) 下津咲絵,坂本真士,堀川直史,他:受療行動に関するセルフエフィカシー尺度の作成と信頼性・妥当性の検討.行動医研 11:7-13, 2005
8) Smith RM:Polytomous Mean-Square Fit Statistics. Rasch Measurement Transactions 10:516-517, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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