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研究と報告
精神科急性期治療導入時の資源投入量に関する調査・検討
著者: 泉田信行1 野田寿恵2 杉山直也3 伊藤弘人2
所属機関: 1国立社会保障・人口問題研究所 2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 社会精神保健研究部 3財団法人復康会沼津中央病院
ページ範囲:P.773 - P.782
文献購入ページに移動本研究の目的は,精神科急性期治療にかかわる医療機関の治療コストと診療報酬収入を比較することである。地域的に異なる,急性期機能を担う3つの精神科病院の医師,看護師,精神保健福祉士からなる医療チームに事例を提示し,直接ケアについてヒアリング調査を行った。その結果,①隔離室を使用するような精神科急性期患者の入院1日目の収支は,どのような施設であっても赤字となる可能性が高いこと,②診療報酬基準として類似の医療機関を対象に選んだとしても,医療機関ごとに直接ケアの内容が大きく異なることが明らかになった。入院初期に十分な直接ケアの投入を可能にする診療報酬のあり方に関する議論に寄与できる結果を得た。
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