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文献詳細

雑誌文献

精神医学52巻8号

2010年08月発行

文献概要

私のカルテから

BACSによる認知機能障害評価を考慮した支援により就労に成功した統合失調症の1例

著者: 稲田健1 石郷岡純1

所属機関: 1東京女子医科大学医学部精神医学講座

ページ範囲:P.819 - P.821

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はじめに

 統合失調症における認知機能障害は,陽性症状や陰性症状以上に,社会適応や社会復帰と関連することが知られている1)が,一般臨床で適切に取り扱われていない印象がある。今回,認知機能障害に注目し,BACS(the brief assessment of cognition in schizophrenia)日本語版2)を用いて認知機能障害を評価したうえで就労援助を行ったところ,就労に成功した統合失調症の1例を経験した。認知機能障害を評価して治療を行うことは臨床上有用であると考えられたので報告する。なお,本症例報告の投稿に際して,患者本人から口頭での同意を得ている。

参考文献

1) Green MF, Kern RS, Braff DL, et al:Neurocognitive deficits and functional outcome in schizophrenia:Are we measuring the "right stuff"? Schizophr Bull 26:119-136, 2000
2) 兼田康宏,住吉太幹,中込和幸,他:統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J).精神医学 50:913-917,2008
3) Keefe RS, Seidman LJ, Christensen BK, et al:Comparative effect of atypical and conventional antipsychotic drugs on neurocognition in first-episode psychosis:A randomized, double-blind trial of olanzapine versus low doses of haloperidol. Am J Psychiatry 161:985-995, 2004
4) 長田泉美,中込和幸:向精神薬によって発現する認知機能障害.臨精薬理 10:1177-1184,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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