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研究と報告
精神科疾患の診断をめぐる諸問題―精神科医327名のアンケート調査から
著者: 江川純1 遠藤太郎1 染矢俊幸1 下田和孝2 塩入俊樹3 山田尚登4 髙橋三郎25
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野 2獨協医科大学精神神経医学講座 3岐阜大学大学院医学系研究科神経統御学講座精神病理学分野 4滋賀医科大学精神医学講座 5埼玉江南病院
ページ範囲:P.891 - P.898
文献購入ページに移動日本の国際的診断方式の使用状況を調査する目的でアンケート調査を実施し,327名の精神科医から回答を得た。回答者を基準派(診断に操作的診断基準を重視する群)と記述派(診断に記述的診断方法を重視する群)に分け,その比較を中心に解析した。基準派の中でも説明・告知には記述的診断方法を用いるものが17.7%,記述派の中でも明確な診断基準による診断を治療上有用と答えたものが45.3%おり,また代表的な4つの精神疾患の診断確定法では,記述派は疾患により多様な診断方法を用いるなど,両派にはともに目的別に両診断を使い分ける群が存在した。双方の長所と短所を十分に把握したうえで,互いの短所を相補う形で用いられることが望ましいと考えられた。
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