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変性性認知症の一般的な知名度・理解度―大学生を対象にした調査
著者: 村山憲男1 井関栄三1 太田一実1 藤城弘樹1 佐々木心彩2 遠藤忠2 佐藤潔1 長嶋紀一2
所属機関: 1順天堂東京江東高齢者医療センター,PET・CT認知症研究センター 2日本大学文理学部
ページ範囲:P.43 - P.48
文献購入ページに移動近年,認知症は社会的にも注目されるようになり,アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)については以前1)より広く理解されるようになってきた。しかし,いまだに認知症とADが同義にとらえられていることも多く,認知症の原因となる疾患には,血管性認知症(vascular dementia;VaD)やレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB),ピック病(Pick's disease;PiD)を含めた前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD),意味性認知症(semantic dementia;SD)などさまざまな種類があることはあまり知られていないと思われる。これらの疾患のうち,VaDは血管病変の種類や部位などによって症状は多様だが,非アルツハイマー型変性性認知症(non-Alzheimer degenerative dementias;NADD)であるDLBやFTD,SDなどは,個人差はあるものの,ADと同様に疾患ごとに共通した特徴的な症状を示す。
疾患の正しい理解は,認知症の早期発見13)の他,適切な介護を行うため4,9)にも必要であると考えられる。しかし,認知症の一般的な知識やイメージに関する従来の報告は,ADか,疾患を特定せず認知症という枠組みで調査したものが多く10,14,15,17),NADDに関する調査報告は今のところない。
本研究では,ADと,ADに次いで出現頻度の高いNADDであるDLB4),および,前頭側頭葉変性症(fronto-temporal lobar degeneration;FTLD)の中で出現頻度の高いFTDとSD7)について,現在の大学生における疾患の知名度や理解度を調査した。
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