文献詳細
文献概要
特集 震災時の避難大作戦:精神科編
災害医療の基礎
著者: 徳野慎一1
所属機関: 1防衛医科大学校防衛医学講座
ページ範囲:P.1041 - P.1047
文献購入ページに移動はじめに
2011年3月11日14時46分に発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震は,それに引き続く複数のマグニチュード7クラスの余震とともに,巨大な津波を引き起こし東日本に壊滅的な被害を与えた。また,内陸部にもマグニチュード6を超える関連地震が発生し被害を拡大させた。さらに,津波被害によりバックアップ用の電源を失った福島第一原子力発電所のトラブルにより未曽有の原子力災害に至った。
この一連の災害を東日本大震災と呼ぶが,こうした事態に対して関係諸機関は対応に追われた。医療関係機関もその例外ではなく対応の内容は多岐にわたった。新聞・テレビ・インターネットなどにおいてはこれらの対応が断片的に報道されており,一連の対応を理解するには地震・津波・原子力災害に分けて時系列として整理する必要がある(表1)。本稿では,災害医療の基本的な知識を整理することで,本震災の医療対応についての理解の一助としたい。
2011年3月11日14時46分に発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震は,それに引き続く複数のマグニチュード7クラスの余震とともに,巨大な津波を引き起こし東日本に壊滅的な被害を与えた。また,内陸部にもマグニチュード6を超える関連地震が発生し被害を拡大させた。さらに,津波被害によりバックアップ用の電源を失った福島第一原子力発電所のトラブルにより未曽有の原子力災害に至った。
この一連の災害を東日本大震災と呼ぶが,こうした事態に対して関係諸機関は対応に追われた。医療関係機関もその例外ではなく対応の内容は多岐にわたった。新聞・テレビ・インターネットなどにおいてはこれらの対応が断片的に報道されており,一連の対応を理解するには地震・津波・原子力災害に分けて時系列として整理する必要がある(表1)。本稿では,災害医療の基本的な知識を整理することで,本震災の医療対応についての理解の一助としたい。
参考文献
1) Ciottone G, Anderson PD, Auf Der Heide E, et al:Disaster medicine. Mosby, USA, pp1-992, 2006
2) 警察庁:東北地方太平洋沖地震の被害状況と警察措置.2011.08.13
3) 警察庁:平成23年の月別の自殺者数について(7月末の暫定値).2011.08.14
4) 小玉誠,渡辺祐,相沢義房:大災害時の急性心血管疾患の発生.Annual Review循環器2008.中外医学社,2008
5) 日本集団災害医学会編:DMAT標準テキスト.へるす出版,2011
6) Solnit R:災害ユートピア.亜紀書房,2010
7) 消防庁:阪神・淡路大震災について(確定報).2006.05.19
8) 鵜飼卓,高橋有二,青野允:事例から学ぶ災害医療.南江堂,1995
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