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高齢者のせん妄に対するmirtazapineの使用経験
著者: 今中章弘1 高見浩1 箱守英雄1 石井孝二1 織田一衛1 森川龍一1 吉永文隆1
所属機関: 1和恒会ふたば病院
ページ範囲:P.1123 - P.1125
文献購入ページに移動認知症を中心とした高齢者医療において,せん妄は発症頻度が高く,そのマネージメントを行うことでいかに生活リズムやQOL(quality of life)を安定化させるかが重要である。せん妄に対する薬物療法に関しては十分なエビデンスが確立しておらず,臨床現場では個々の症例に応じた柔軟な対応がなされている。Mirtazapine(以下,MIR)は,ノルアドレナリン作動性/特異的セロトニン作動性抗うつ薬というカテゴリーで称される,従来の抗うつ薬とは異なった作用機序を有する薬剤であるが,せん妄におけるMIRの使用経験に関する文献報告はない。せん妄患者へのアプローチは原因の除去,環境調整などと多岐にわたるが,高齢者のせん妄にMIRが有効であった3症例を提示し,特に薬物療法に焦点を当てて本薬剤のせん妄治療における有用性について報告する。
なお,患者と家族には期待し得る効果,副作用や適応外使用であることを説明したが,3症例ともに患者の理解力が不十分であったため,最終的には家族に同意を得て使用した。プライバシーの保護のため,病歴は主旨を損なわない範囲で一部改編した。
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