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連載 「継往開来」操作的診断の中で見失われがちな,大切な疾病概念や症状の再評価シリーズ【新連載】
仮性痴呆(認知症)
著者: 前田潔1 山本泰司2 長谷川典子2
所属機関: 1神戸学院大学総合リハビリテーション学部 作業療法学専攻 2神戸大学大学院医学研究科精神医学分野
ページ範囲:P.402 - P.404
文献購入ページに移動仮性痴呆(認知症)pseudodementiaとは認知症に類似した臨床像で,器質的疾患で引き起こされたものではないものをいう。うつ病に最も多くみられることから,うつ病性仮性痴呆(認知症)が最もよく知られていた。同時にガンザー症候群(Ganser's syndrome)も仮性痴呆(認知症)としてよく知られていたが,近年はまれとなり,また人口の高齢化から認知症が関心を集めていることもあって,今では仮性痴呆(認知症)といえば(うつ病性)仮性認知症を意味することが多い。
本項では最初にGanser症候群について簡単に紹介し,次いでうつ病性仮性痴呆(認知症)について述べ,最後に,最近のうつ病性障害と認知症の関連性について触れてみる。なお,歴史的には仮性痴呆といわれてきたが,2004年の厚生労働省の通達以来,痴呆は認知症と置き換えられ,認知症という言葉は仮性認知症を含め定着している。そこでこれ以降は,仮性認知症という言葉を使うこととする。
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