文献詳細
「精神医学」への手紙
「摂食障害患者の血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度」へのコメント―心不全の病態生理の観点から
著者: 石川博康1
所属機関: 1中通リハビリテーション病院精神科
ページ範囲:P.407 - P.407
文献概要
自験例2)は21歳女性のANで,入院時BMIは12.7kg/m2,BNP値は990pg/mlであった。心不全は比較的まれな高心拍出型で心嚢液貯留を伴っており,原因疾患として脚気心が疑われた。ビタミンB1欠乏の証明が不十分で確定診断に至らなかったが,短期間で改善した臨床経過も脚気心を強く示唆するものであった。他にも山本らのANの入院症例の報告3)があり,BMIとBNPはそれぞれ14.4kg/m2,52pg/mlであり,心嚢液貯留に伴う左室拡張障害が心不全の原因と推定された。
参考文献
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