文献詳細
資料
新旧卒後臨床研修制度の外来教育に対する若手精神科医の意識調査―外来診療開始までの陪席期間について
著者: 中前貴17 猪狩圭介27 上原久美3 加藤隆弘46 田中徹平56 中野和歌子67 松本良平17
所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学 2国立病院機構肥前精神医療センター 3横浜市立大学精神医学教室 4九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野 5防衛医科大学校精神科学講座 6産業医科大学精神医学教室 7特定非営利活動法人日本若手精神科医の会
ページ範囲:P.497 - P.502
文献概要
精神科卒後教育は,世界各国によってさまざまであることが報告されており7),本邦においても2004年4月から新医師臨床研修制度が始まり,徐々にその現状や課題が報告され始めている1~3,6)。新医師臨床研修制度では,2年間の卒後臨床研修が義務づけられ,その後精神科の後期研修に入っていくことになるが,新旧卒後研修制度における最大の違いは,従来のストレート研修においては,精神科医1年目が医師としても1年目である一方で,新医師臨床研修制度においては,精神科医1年目は医師としては3年目にあたることではないかと考えられる。
我々は,新医師臨床研修制度の後期研修においては,精神科医としての経験が浅いにもかかわらず,医師としての経験が長いことを過剰に評価され,十分な精神科教育を施されないうちに,早期から即戦力として診療を任される傾向があるのではないかと考えた。さらに,このことは,特に外来教育において,外来陪席の期間や,どの時期から外来診療を任せるかといった事柄に表れるのではないかと仮説を立て,外来教育に関して,外来診療開始時期,外来陪席期間とその充足度,外来陪席体制について,若手精神科医を対象とした多施設アンケート調査を行った。
参考文献
掲載誌情報