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文献詳細

雑誌文献

精神医学53巻8号

2011年08月発行

特集 性同一性障害(GID)

メンタルクリニックにおける性同一性障害診療の実際―非定型例の診断・鑑別・治療をめぐって

著者: 針間克己1

所属機関: 1はりまメンタルクリニック

ページ範囲:P.749 - P.753

文献概要

はじめに

 筆者は2008年4月,東京都千代田区にメンタルクリニックを開業した。2011年3月までに2,500名ほどの新患患者を診療したが,その大多数は性別違和を主訴とするものである。また,2010年には性同一性障害特例法1,3)に基づく戸籍の性別変更のための診断書を筆者が111通作成したが,これは,日本全体で戸籍変更された527名(最高裁判所に筆者が問い合わせて回答を得た速報値)のうちの,21%を占めている。しかしながら,実際の臨床では,性別違和を主訴に来院しても,戸籍の性別変更に至るような典型例ばかりではない。本稿では,大学病院のジェンダークリニックとは異なる,民間のメンタルクリニックとしての筆者のクリニックの特徴を記し,その後,非定型例を中心に,その診断・鑑別・治療について論じる。

参考文献

1) 針間克己,大島俊之,野宮亜紀:性同一性障害と戸籍.緑風出版,2007
2) 針間克己:自称性同一性障害と本物をどう見分けるか.精神科 18:326-329, 2011
3) 南野知惠子:[解説]性同一性障害者性別取扱特例法.日本加除出版,2004
4) 日本精神神経学会性同一性障害に関する委員会:性同一性障害の診断と治療に関するガイドライン(http://www.jspn.or.jp/ktj/ktj_k/gid_guideline/gid_guideline_no3.html)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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