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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻1号

2012年01月発行

文献概要

資料

精神科病院外来における抗精神病薬減量の成果

著者: 小林和人1

所属機関: 1山容病院

ページ範囲:P.61 - P.65

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はじめに

 近年実施された大規模調査において,抗精神病薬服用者では心臓突然死のリスクが用量依存性に上昇し,そのリスクは非定型薬と定型薬とで同等であると報告されており4),統合失調症治療においては薬剤の用量をなるべく少なくすることが重要である。しかし実際の臨床現場では患者本人や家族,医療スタッフが状態悪化を懸念したり処方変更に不安を覚えたりし,薬剤減量が進まないことがある。当院にもそのような状況がみられた。今回,外来通院中の統合失調症49例に対して自己記入式質問票(チェックシート)による調査を行い副作用を顕在化させ,うち28例の処方変更に取り組んだところ,抗精神病薬を減量できた。若干の考察を加えて報告する。

参考文献

1) Fleischhacker WW, Oehl MA, Hummer M:Factors Influencing Compliance in Schizophrenia Patients. J Clin Psychiatry 64(s16):10-13, 2003
2) 稲垣中,稲田俊也:新規抗精神病薬の等価換算(その5)Blonanserin.臨床精神薬理 11:887-890, 2008
3) 稲垣中,稲田俊也:持効性抗精神病薬の等価換算(その3)Risperidone長時間作用型注射製剤.臨床精神薬理 13:1349-1353, 2010
4) Ray WA, Chung CP, Murray KT, et al:Atypical antipsychotic drugs and the risk of sudden cardiac death. N Engl J Med 360:225-235, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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