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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻10号

2012年10月発行

特集 医療法に基づく精神疾患の地域医療計画策定

次期医療計画の精神疾患について

著者: 友利久哉1

所属機関: 1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

ページ範囲:P.967 - P.975

文献概要

はじめに

 精神疾患の患者数は,近年急増しており,2008年患者調査において医療機関を受療する精神疾患の患者数は323万人で,医療計画に記載すべきいずれの4疾病の患者数よりも多くなっている。職場におけるうつ病の増加や,高齢化により認知症患者の増加など,精神疾患は国民に広くかかわる疾患となっている。

 厚生労働省では,2004年9月に厚生労働大臣を本部長とし,省内の関係部局長を本部員として発足した精神保健福祉対策本部において,精神保健福祉施策の改革ビジョンを決定し,「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念を示した。その後,改革ビジョンの中間点である2009年9月の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告書では,精神保健医療体系の改革にあたって,地域のニーズに応じて,精神医療のさまざまな機能の提供体制や,医療機関の連携体制を構築するため,医療計画において精神医療を位置付けることについて検討すべきとの提言をとりまとめた。

 これをふまえ,2013年度からの次期医療計画の開始に向けて,精神疾患について,社会保障審議会医療部会や医療計画の見直し等に関する検討会のとりまとめ意見を受け,医療計画に達成すべき目標や医療連携体制等を記載する疾病等として精神疾患が追加され,2012年3月30日に都道府県に対して作成指針等を通知した。

 また,その後の認知症施策に関する省内検討をふまえ,9月に認知症の指針を通知する予定である。

 本稿では,精神疾患の医療体制の構築にかかわる指針について,概要を説明する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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