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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻10号

2012年10月発行

文献概要

私のカルテから

挙児希望による服薬中止で急性精神病状態となった統合失調症の1例

著者: 加藤悦史12 多羅尾陽子2 松原桃代2 兼本浩祐2

所属機関: 1医療法人和合会和合病院 2愛知医科大学精神科学講座

ページ範囲:P.1051 - P.1053

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はじめに

 妊娠中の抗精神病薬の服薬についてはさまざまな議論4~6)があり,統一した見解は得られていない。今回我々は,過去3年間ほぼ無症状に経過していた統合失調症女性患者が挙児希望に伴い本人,家族の強い希望で服薬中止としたところ,中止後7か月目に急性精神病状態となった1例を経験した。若干の考察を加えて報告する。なお匿名性に配慮し個人が特定されないよう論旨に影響のない範囲で改変を施し,症例報告に際し本人より同意を得ている。

参考文献

1) Howard LM, Gross C, Leese M, et al:The psychosocial outcome of pregnancy in women with psychotic disorder. Schizophr Res 71:49-60, 2004
2) 加藤知子,荒井稔:妊娠・出産及び児の発育に及ぼすhaloperidolの影響.精神経誌 92:277-293, 1990
3) Miller LJ:Sexuality, reproduction, and family planning in women with schizophrenia. Schizophr Bull 23:623-635, 1997
4) 西山潤,平林直次:妊娠,授乳期における非定型抗精神病薬の使用について.Jpn J Gen Hosp Psychiatry 16:69-73, 2004
5) 西澤治,近藤毅:妊娠中の向精神薬療法の継続と中止―統合失調症.精神科治療 24:549-554, 2009
6) 大下隆司:特集 妊娠と薬物療法.合併症妊娠への対応―精神疾患.薬事53:79-85, 2011
7) Trixler M, Gati A, Teny T:Risks associated with childbearing in schizophrenia. Acta Psychiatr Belg 95:159-162, 1995
8) 辻富基美,北端裕司,郭哲次,他:妊娠期における精神科薬物療法の経験について.和歌山医学 53:223-228, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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