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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻12号

2012年12月発行

文献概要

資料

地域の精神科医療における薬剤師業務について―精神科神経科診療所へのアンケート調査から

著者: 三和千德12 橋本保彦3

所属機関: 1神戸学院大学人文学部人間心理学科 2みわ心療クリニック 3神戸学院大学薬学部臨床薬学部門

ページ範囲:P.1237 - P.1242

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抄録

 チーム医療の推進や自殺,過量服薬の対策として,地域の精神科医と薬剤師のパートナーシップが重要となる。筆者らは地域の精神科神経科診療所における薬剤師業務の現状を調査することを目的に,薬剤師の「疑義照会」,「処方協議・処方提案」の実態調査を行った。対象は兵庫県の精神科神経科診療所167か所で,40か所(24%)から回答を得た。精神科医の全員が疑義照会を受け,その必要性を感じていた。しかし確認が必要と医師が感じているのは投与禁忌,併用注意,添付文書の内容など薬剤の基本事項で,実際にもそれらが確認されていた。処方協議・処方提案はほとんど行われておらず,薬剤師が「治療者」と認識されていない現状が窺われた。

参考文献

1) 藤井彰夫,井上三男,佐藤智代,他:精神科医療における薬剤師機能の現状と期待 第2報.最新精神医14:59-67, 2009
2) 厚生労働省:自殺・うつ病対策プロジェクトチーム:過量服薬への取組―薬物治療のみに頼らない診療体制の構築に向けて.2010
3) こころの健康政策構想会議:こころの健康政策構想会議提言書―当事者・家族・国民のニーズに添った精神保健医療改革の実現に向けた提言.2010
4) 町田いづみ,藤井彰夫,井上三男,他:精神科医療における薬剤師機能の現状と期待 第1報.最新精神医13:364-374, 2008
5) 三谷和賀子,東禎二,森下美穂,他:薬剤科における質疑応答記録簿の10年間統計.トヨタ医報15:69-74, 2005
6) 仙田典保,長村英理子,吉田直子,他:精神科外来患者に対する薬剤情報提供の取り組み(その2)―精神科受診患者を対象としたアンケート調査による評価.日病薬師会誌37:767-770, 2001
7) 嶋根卓也:薬剤師から見た向精神薬の過量服薬.精神科治療27:87-93, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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