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昏迷と錐体外路症状への過敏性を呈し,修正型電気けいれん療法が奏効したレビー小体型認知症の1例
著者: 倉田明子1 藤田康孝1 出本吉彦12 岩崎庸子1 佐藤悟朗1
所属機関: 1医療法人社団更生会草津病院精神科 2広島県立障害者リハビリテーションセンター医療センター麻酔科
ページ範囲:P.1249 - P.1252
文献購入ページに移動レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)は認知症,幻視,パーキンソン症状,意識の明晰性の動揺などを特徴とする変性疾患であり4),アルツハイマー型認知症,血管性認知症とともに3大認知症と言われる。DLBでは幻視のほか妄想や不安・焦燥,抑うつなど多彩な精神症状が出現しうる一方で,薬剤性の錐体外路症状に過敏で薬物療法が難航する場合がある。
我々は,幻視や抑うつから昏迷に至るも種々の薬剤に過敏で錐体外路症状を呈し,修正型電気けいれん療法(modified electroconvulsive therapy;mECT)が奏効した症例を経験した。DLBの治療を考える上で貴重な症例と考え,ここに報告する。なお,症例提示においては匿名性に配慮し症例理解に影響しない範囲で一部内容を改変し,報告に関して本人および家族に同意を得た。
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