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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻12号

2012年12月発行

文献概要

私のカルテから

Benzodiazepine系薬物により奇異反応を呈したうつ病の1例

著者: 武田隆綱1

所属機関: 1武田メンタルクリニック

ページ範囲:P.1257 - P.1259

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はじめに

 Benzodiazepine系薬物(以下BZ系薬物と略す)は,抗不安作用,鎮静・催眠作用,抗けいれん作用および筋弛緩作用を持つ臨床的に有用な薬物で,不安障害,睡眠障害だけでなく,多くの精神疾患の治療に用いられている。BZ系薬物の奇異反応とは,薬物の効果として期待される作用とは反対の反応を言い,具体的には,不安,焦燥,気分易変性,攻撃性,敵意,興奮,幻覚,妄想などを呈することである2)。筆者は,clonazepam,nitrazepam,lorazepam投与中には問題なかったが,etizolamおよびtriazolamの追加投与により奇異反応を呈したうつ病の1例を経験したので報告し,考察を加える。なお,報告にあたって患者に口頭で説明し,同意を得ている。また患者が特定されないようにするため,文脈を損なわない範囲内で一部改変して記載している。

参考文献

1) 秋山一文:医薬品による精神障害.三好功峰,黒田重利編:臨床精神医学講座10巻.器質・症状性精神障害.中山書店,pp487-510, 1997
2) 倉田明子,藤川徳美:ベンゾジアゼピン系薬剤による奇異反応:攻撃性,暴力を中心に.臨精薬理11:253-259, 2008
3) Mancuso CE, Tanzi MG, Gabay M:Paradoxical reactions to benzodiazepines:Literature review and treatment options. Pharmacotherapy 24:1177-1185, 2004
4) 村崎光邦:奇異反応.三浦貞則監修:精神治療薬大系 第4巻,抗不安薬,睡眠薬.星和書店,pp205-207, 1997
5) Tobin JM, Lewis ND:New psychotherapeutic agent, chlordiazepoxide, its use in treatment anxiety states, and related symptoms. JAMA 174:1242-1249, 1960
6) 上田幹人,下田和孝:ベンゾジアゼピンの奇異反応.臨精医35:1663-1666, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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