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巻頭言
メメント・モリ
著者: 明智龍男1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
ページ範囲:P.232 - P.233
文献購入ページに移動 メメント・モリという言葉を想い起こす。ラテン語で「死を想え」という意味である。私自身は「自分がいつか死ぬ存在であることを想いなさい。そのことにより,よく生きることを忘れないようにしなさい」といった含意の言葉と理解している。10代の頃に,藤原新也氏の同名の写真集で,この言葉を知ったように漠然と記憶している。以来,折に触れてこの外国語が脳裏をよぎるようになった。芸術などには疎い自分であったが,鮮烈な写真とともにメメント・モリという語感が残像のように焼き付いている。それだけ衝撃的だったのであろう。とはいえ,10代の私にその深い意味はとても理解できていなかった。
精神科医として働くようになり,中でも特に重い身体の病気を持たれた患者さんのケアに多くの時間を携わるようになってからは,自分自身にとってこの言葉が持つ意味や響きが少しずつ変化してきた。
精神科医として働くようになり,中でも特に重い身体の病気を持たれた患者さんのケアに多くの時間を携わるようになってからは,自分自身にとってこの言葉が持つ意味や響きが少しずつ変化してきた。
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