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オピニオン マインドフルネス/アクセプタンス認知行動療法と森田療法
アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)は本当に森田療法と似ているのか?
著者: 黒木俊秀1
所属機関: 1国立病院機構肥前精神医療センター
ページ範囲:P.348 - P.351
文献購入ページに移動マインドフルネスと「あるがまま」
マインドフルネス(mindfulness)に着目した精神療法の一派―マインドフルネス・ストレス低減法,弁証法的行動療法,マインドフルネス認知療法等々―は,認知行動療法(cognitive behavioral treatment;CBT)の新しい動きとして「第三の波(the third wave)」と呼ばれる。
わが国に「第三の波」CBTが紹介されたのは,1990年代後半であったが,その「現在の瞬間になんら価値判断を下さずに注意を向け,ありのままに受け入れる」というマインドフルネスとアクセプタンス(acceptance)の治療原理は,わが国の森田療法家の関心を集めた。いうまでもなく,「あるがまま」という森田療法のテーゼときわめて似通っていたからである。一方,「第三の波」CBTがマインドフルネスのトレーニングのためにしばしば用いる瞑想法に対しては,現代の森田療法が外来治療に主軸を移しており,伝統的な森田療法ほどには禅との関係を意識していないため,戸惑いがあった。
マインドフルネス(mindfulness)に着目した精神療法の一派―マインドフルネス・ストレス低減法,弁証法的行動療法,マインドフルネス認知療法等々―は,認知行動療法(cognitive behavioral treatment;CBT)の新しい動きとして「第三の波(the third wave)」と呼ばれる。
わが国に「第三の波」CBTが紹介されたのは,1990年代後半であったが,その「現在の瞬間になんら価値判断を下さずに注意を向け,ありのままに受け入れる」というマインドフルネスとアクセプタンス(acceptance)の治療原理は,わが国の森田療法家の関心を集めた。いうまでもなく,「あるがまま」という森田療法のテーゼときわめて似通っていたからである。一方,「第三の波」CBTがマインドフルネスのトレーニングのためにしばしば用いる瞑想法に対しては,現代の森田療法が外来治療に主軸を移しており,伝統的な森田療法ほどには禅との関係を意識していないため,戸惑いがあった。
参考文献
1) Clound J:The third wave of therapy. Time Magazine, Feb 13, 2006
2) 原井宏明:アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)の利点は何か.精神医学 54:352-356, 2012
3) Hayes SC, Smith S:Get Out of Your Mind and Into Your Life:The New Acceptance and Commitment Therapy. New Harbinger Publications, Oakland, CA, 2005
4) Hofmann SG, Asmundson GJG:Acceptance and mindfulness-based therapy:New wave or old hat? Clin Psychol Rev 28:1-16, 2008
5) Hofmann SG:Acceptance and commitment therapy:New wave or Morita therapy? Clin Psychol Sci Prac 15:280-285, 2009
6) 森田正馬:神経質の本態と療法.白揚社,2004
7) 中井久夫:訳者あとがき.クッファーDJ,ファーストMB,レジエDA 編,黒木俊秀,松尾信一郎,中井久夫 訳:DSM-V研究行動計画.みすず書房,pp340-350, 2008
8) 舘野歩:森田療法とAcceptance and Commitment Therapy(ACT)―不安障害に対するアプローチの比較―.日本森田療法学会雑誌22:17-23, 2011
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