精神医学54巻4号

2012年04月発行

オピニオン マインドフルネス/アクセプタンス認知行動療法と森田療法

森田療法はうつ病治療に有用か―マインドフルネス認知療法との比較から

著者： 中村敬¹²

所属機関： ¹東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科 ²森田療法センター

ページ範囲：P.358 - P.361

はじめに

　神経症を元来の治療対象とする森田療法は，近年うつ病の治療にも広く応用されている。ここではうつ病に対する森田療法を簡単に紹介し，マインドフルネス認知療法と比較しながら，その有用性を論じることにしたい。

参考文献

1) 森田正馬：精神療法の基礎．森田正馬全集1．白揚社．pp152-171, 1921/1974

2) 中井久夫，永安朋子：養生を念頭においた精神科治療．精神科治療学9：799-807, 1994

3) 中村敬：森田療法によるうつ病の養生と治療．こころの科学97：67-71, 2001

4) 中村敬：うつ病の森田療法．福岡行動医学雑誌9：9-15, 2002

5) 中村敬：うつ病の森田療法・序論―主として内因性の病態を念頭に．森田療法学会雑誌20：21-25, 2009

6) 中村敬：うつ病の認知療法・マインドフルネス・森田療法．神庭重信，黒木俊秀 編，現代うつ病の臨床．創元社，pp288-300, 2009

7) Segal ZV, Williams JMG, Teasdale JD：Mindfulness-Based Cognitive Therapy for Depression. The Guilford Press, New York, 2002