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短報
夕方の高照度光療法が大うつ病エピソードに有効であった双極II型障害の1例
著者: 三浦淳1 佐々木春喜1
所属機関: 1室蘭工業大学保健管理センター
ページ範囲:P.509 - P.512
文献購入ページに移動はじめに
高照度光療法は,季節性感情障害,非季節性うつ病,概日リズム睡眠障害などに対して有効であるといわれている6)。具体的には,2,500ルクスの光を2時間,または10,000ルクスの光を30分間照射する6)。作用機序としては,生体リズムの位相変位作用2),セロトニン神経系への賦活作用5),覚醒作用などが想定されている4)。光照射は起床直後に施行されることが多く,夕方の光照射が有効とされる疾患は,睡眠相前進症候群などに限られる2)。今回我々は,季節性の特徴を呈した双極Ⅱ型障害の大うつ病エピソードに対し,発光ダイオード(LED)を用いた光照射を行った。起床直後の光照射は無効であったが,夕方の光照射により寛解状態に至った症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
高照度光療法は,季節性感情障害,非季節性うつ病,概日リズム睡眠障害などに対して有効であるといわれている6)。具体的には,2,500ルクスの光を2時間,または10,000ルクスの光を30分間照射する6)。作用機序としては,生体リズムの位相変位作用2),セロトニン神経系への賦活作用5),覚醒作用などが想定されている4)。光照射は起床直後に施行されることが多く,夕方の光照射が有効とされる疾患は,睡眠相前進症候群などに限られる2)。今回我々は,季節性の特徴を呈した双極Ⅱ型障害の大うつ病エピソードに対し,発光ダイオード(LED)を用いた光照射を行った。起床直後の光照射は無効であったが,夕方の光照射により寛解状態に至った症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
参考文献
1) American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders. Fourth Edition, Text Revision ed., 2000
2) Barion A, Zee PC:A clinical approach to circadian rhythm sleep disorders. Sleep Med 8:566-577, 2007
3) Desan PH, Weinstein AJ, Michalak EE, et al:A controlled trial of the Litebook light-emitting diode (LED) light therapy device for treatment of Seasonal Affective Disorder (SAD). BMC Psychiatry 7:38, 2007
4) Phipps-Nelson J, Redman JR, Dijk DJ, et al:Daytime exposure to bright light, as compared to dim light, decreases sleepiness and improves psychomotor vigilance performance. Sleep 26:695-700, 2003
5) Rao ML, Muller-Oerlinghausen B, Mackert A, et al:Blood serotonin, serum melatonin and light therapy in healthy subjects and in patients with nonseasonal depression. Acta Psychiatr Scand 86:127-132, 1992
6) Terman M, Terman JS:Light therapy for seasonal and nonseasonal depression:Efficacy, protocol, safety, and side effects. CNS Spectr 10:647-663, 2005
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