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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻6号

2012年06月発行

文献概要

書評

―神庭重信・内海 健 編―「うつ」の構造

著者: 広瀬徹也1

所属機関: 1公益財団法人神経研究所附属晴和病院

ページ範囲:P.650 - P.650

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 本書は高い志を持った二人の編者を含めた8人のその分野のトップクラスの執筆陣によるうつ病論である。その分野とは臨床精神病理学,医療人類学,精神分析学,神経薬理化学,臨床精神薬理学,文化神経科学と多岐にわたり,Ⅰ。現代社会とうつ病Ⅱ。疾病概念を問うⅢ。神経生物学の展開の三部構成から成る。

 さて,冒頭の高い志とは編者の一人神庭重信氏の序文の次の言葉に端的に示されている。「・・うつ病が,人類に普遍で不変なマインドの領域から,文化による修飾を強く受けるメンタリティに及ぶ領域で生まれる病だからである。・・言い換えればうつ病論とは,ヒトの脳を探究することであり,さらには日本の社会・文化にも言及することである」。本書は神庭氏の狙いが太い軸となって,その周りを他の著者の論文がらせん状に上昇して高い頂きに達しているように思える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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