文献詳細
短報
多彩な身体愁訴から心気症と診断されたLOH(late-onset hypogonadism)症候群の1例
著者: 佐藤晋爾1 末富崇弘2 西山博之2 新井哲明1 朝田隆1
所属機関: 1筑波大学医学医療系臨床医学域精神科 2筑波大学医学医療系臨床医学域腎泌尿器外科・男性機能科
ページ範囲:P.709 - P.712
文献概要
近年,男性にも40歳代半ばから60歳代半ばに更年期障害があることが指摘されるようになり,泌尿器科領域でlate-onset hypogonadism(LOH)症候群として,診断基準や治療法が議論されている8)。LOH症候群は,加齢に伴うアンドロゲンの低下によって生じる諸症状を指し,性欲低下や勃起障害などの性機能障害,気分変調や睡眠障害などの精神症状,筋力や骨量の低下などの身体症状に大別される5,8)。特に精神症状では大うつ病との関連性が指摘されている1,8~10)。
今回,我々は心療内科・精神科に来院し,当初は精神疾患と考えられたが,後にLOH症候群であることが分かり,自覚症状の改善を認めた1例を経験した。
参考文献
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