文献詳細
短報
舞踏運動がみられず,長期にわたり精神疾患と誤診されたHuntington病の1例
著者: 岩藤元央1 田中大輔1 樋口久1 野口美和1 鈴木慈1 山口登1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学神経精神科
ページ範囲:P.907 - P.910
文献概要
Huntington病(HD)は,常染色体優性の遺伝形式をとる進行性の神経変性疾患である。舞踏運動(chorea)と形容される特徴的な不随意運動が90%以上に出現し,筋トーヌスの異常などの種々の神経症状も出現する。また,精神症状(認知症,人格変化,幻覚妄想,感情障害)および自殺企図の傾向といった臨床的特徴を持つ。今回我々は,初期に舞踏運動などの特徴的な症状を呈さず,抑うつ症状などの精神症状が主体であったため,診断確定までに6年を要したHDの1例を経験した。今後HDの早期診断のために,HDの初期の精神症状の特徴,鑑別方法について,文献的考察を交え報告する。
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