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文献詳細

雑誌文献

精神医学54巻9号

2012年09月発行

文献概要

資料

韓国におけるインターネット嗜癖(依存)の現状

著者: 前園真毅1 三原聡子1 樋口進1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターネット依存治療研究部門(TIAR)

ページ範囲:P.915 - P.920

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抄録

 韓国政府は,2000年初頭よりネット依存対策に取り組んでいる。韓国での問題は主に青少年のオンラインゲーム依存である。そこから派生した死亡や自殺ケースが社会問題となったのがはじまりである。政府機関である女性家族部は,嗜癖評価尺度IATの韓国版K-scaleを開発,それによる全国調査を2009年より毎年行っている。

 調査結果から依存傾向者をスクリーニングし,11泊12日のキャンププログラム,入院によるネット依存治療を提供している。また2011年11月より16歳未満に対するシャットダウン制が開始予定である。日本では,携帯電話を媒介としたネット依存問題が潜在している。今後,韓国の取り組みを参考に日本でのネット依存対策を具体化していく必要がある。

参考文献

1) Division of Youth Media Environment, Ministry of Gender Equality & Family:Results of a national survey on Internet addiction in 2011. Ministry of Gender Equality & Family, May, 2011
2) 樋口進:成人の飲酒と生活習慣に関する実態調査研究.厚生労働科学研究「わが国における飲酒の実態ならびに飲酒に関連する生活習慣病,公衆衛生上の諸問題とその対策に関する総合的研究(主任研究者 石井裕正)」平成21年度報告書,2010
3) 三原聡子,前園真毅,樋口進,他:わが国成人のインターネット嗜癖の実態.第33回日本アルコール関連問題学会,佐賀,2011年7月
4) Shaw M, Black DW:Internet addiction:definition, assessment, epidemiology and clinical management. CNS Drugs 22:353-365, 2008
5) Sussman S, Lisha N, Griffiths M:Prevalence of the addictions:A problem of the majority or the minority? Eval Health Prof 34:3-56, 2011
6) Young KS:Caught in the net. John Wiley & Sons, Inc., New York, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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