文献詳細
特集 アンチスティグマ活動の新しい転機Ⅰ
スティグマと闘うための方策2013
所属機関: 1Association for the Improvement of Mental Health Programmes:AMH, 14 Chemin Colladon, CH-1209 Geneve, Switzerland
ページ範囲:P.941 - P.945
文献概要
精神疾患にまつわるスティグマは,2013年においてもなお精神障害者のケアの向上にとって大きな妨げとなっている。それどころか,スティグマは一層広がっており1,2),差別は深刻さを増しているようである。精神疾患のスティグマは精神障害者の世代から世代へと引き継がれ,また家族,精神疾患に取り組む医療従事者,精神医療の中心的役目を果たしている施設,精神科の治療方法へも広がっている3,4)。
スティグマは回避または減少させることが可能だという確かなエビデンスがあるにもかかわらず5,6),現実にはスティグマが広まっているという事実をふまえると,こうした傾向の重大さが問題となる。この矛盾の説明としては,我々が精神疾患とその影響のスティグマと闘うために用いている原則と方法は時代遅れで,もはや有効ではないと考えることが最も妥当であろう。本稿では,この観点から,現在取られているアンチスティグマ活動の原則のいくつかを検証する。
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