文献詳細
短報
超高齢者におけるAlzheimer型認知症に伴うBPSDに対しgalantamine投与で症状が改善した1例
著者: 河端崇1
所属機関: 1札幌太田病院
ページ範囲:P.993 - P.995
文献概要
Alzheimer型認知症は認知機能障害のみならず,Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSD)と呼ばれる行動,心理症状を伴うことが多い。BPSDは患者本人にとっては危険が大きく介護者の負担も増大させるため,そのマネージメントが重要となる。
Galantamineはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬に分類される薬剤であるが,AChE阻害作用によってシナプス間隙のアセチルコリン濃度を増加させるだけなく,前シナプスのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を賦活し感受性を亢進するアロステリック活性化リガンド(APL)作用を併せ持っていることが特長である6)。APL作用を介し,セロトニン,ドーパミンなどの神経伝達物質の分泌を促進することで,Alzheimer型認知症のBPSDの改善に寄与する可能性があることが示唆されている3)。
今回,Alzheimer型認知症のBPSDにて入院となった超高齢患者にgalantamineを使用し良好な転帰を辿った症例を経験したので,若干の考察とともに報告する。なお,症例の特定を避けるために細部は改変を施してある。
参考文献
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