文献詳細
紹介
統合失調症への呼称変更から10年を迎えて
著者: 小林巧1 高橋清久2
所属機関: 1ヤンセンファーマ株式会社サイエンティフィックアフェアーズ本部CNS部 2財団法人精神神経科学振興財団
ページ範囲:P.997 - P.1006
文献概要
統合失調症への呼称変更から10年経ったことを機に,統合失調症に対する理解度やイメージを把握することを目的として,一般の方々を対象にインターネット調査を行った。その結果,統合失調症という新呼称の“受け入れやすさ”という点で変化が生じているが,精神分裂病という旧呼称が未だ人々の記憶に残っている実態が確認された。加えて,「統合失調症の症状が悪くない時は社会人として行動できる」という回答が6割程度であったが,「統合失調症になると会社や地域で差別される」という不安を示す回答も過半数程度であったことなど,今回の調査では,統合失調症の病名の認知度が低いこと,病態や症状に対する理解が未だ十分ではないことも明らかとなった。
統合失調症という病気に対する認知と正しい理解を促すための普及・啓発活動を,医療関係者,患者とその家族だけでなく,一般の方々に対しても,引き続き実施していく必要がある。
参考文献
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